日本の国土の中では、どこへ行っても水に困るような生活を強いられている地域はないので、案外実感が湧かないかもしれませんが、水の豊かさと人間の性格は大変深く関係しています。水が豊かな場所で暮らす人々の性格は、自然に温厚で争いごとを嫌い、のんびりとした性格になるのです。
このことを強く感じたのは、インドとスリランカに住む人々を比べてみた時のことでした。両国は、海を数十キロメートルだけ隔てた極めて近い位置に所在し、同じ肌の色、同じような衣食住文化を持った、同じような性格の人々が暮らしているように思えました。
しかし、両国の国民の人柄や性格は大変違いがあります。年間を通して豊かな水、豊かな緑、それらがもたらす豊かな恵みが約束されているスリランカの国の人々と、砂漠のようなやせた土地で、時には40度を超えるような灼熱の地に暮らすインド人では、相対的に人々の雰囲気や人当たり、印象などが大きく違っているのです。この現状を見て改めて水の力の偉大さを思い知らされたのです。
インドとスリランカに限らず、世界的に見ても同じです。先進諸国と呼ばれる国々には間違いなく豊かな水があります。豊かな水の中で、生きることに全く心配を持つことなく文明を発展させてきたのです。反対に水のない地域の多くは発展途上国の中に含まれています。水を得ながら生きることに精いっぱいで、人間としての豊かさや発展は二の次となってしまったためであると思えるのです。